月の影 影の海を読んで
★★★ 3.0pt
あらすじ
「お捜し申し上げました」―女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。怒濤のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。(「Book」データベースより)
主人公の陽子がとにかく最初はふんだりけったり。
読んでいる方まで,疑心暗鬼になりそう。特にネガティブな情報を陽子に吹き込むサルがもう憎くて,読んででむきーっとなった。
ただ主人公の陽子ちゃんは,普通の女の子かと思いきや,芯のある希望を捨てない子で,純粋に応援したくなった。
そして途中からでてくる半獣の楽俊がすごいいい子(実際は大人なのですごいいい人)。挿絵の楽俊もかわいい。
でも何より,楽俊が成人男性に変わるところがきゅんきゅんした(陽子と楽俊の恋物語があればいいのに)。
十二国記シリーズの実質の一作目にあたる本作は(魔性の子は外伝),世界観が非常に作り込まれていて,続きを読みたくさせる,一作目だった。
魔性の子を読んで
★★☆ 2.5pt
あらすじ
教育実習のため母校に戻った広瀬は、教室で孤立している不思議な生徒・高里を知る。彼をいじめた者は“報復”ともいえる不慮の事故に遭うので、“高里は崇る”と恐れられているのだ。広瀬は彼をかばおうとするが、次々に凄惨な事件が起こり始めた。幼少の頃に高里が体験した“神隠し”が原因らしいのだが…。彼の周りに現れる白い手は?彼の本当の居場所は何拠なのだろうか?(「Book」データベースより)
一つ声を大にして言いたい。
これ,ホラーじゃねぇかぁぁぁ!!!ファンタジーはどこいったー!!!
人がどんどん死んでいくし,貴志祐介さんの本かと思ったよ。
まぁ,ホラーファンタジーって書いてあるんだけれども。
ということで,ファンタジーかと思って読んだら失敗します。
このあとの十二国記シリーズは,ちゃんとファンタジーしてるので安心してお読みください。
舟を編む
舟を編む ★★☆ 2.75pt
あらすじ
玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし……。
辞書を作る人たちの話。辞書を作る過程は,単語を収集→他の辞書にも載っている確認→全ての単語に語釈をつける→見出し語の作成→校正(5回くらい)と,かなり気が遠くなる地道な作業。私はどこかでミスしてしまいそうな作業…こういう細かい作業を黙々とやり抜く力って大切だよね。
そしてまじめよりも,オダジョー演じる西岡にきゅんっとしてしまった。めがね&真面目なまじめくんが本来のタイプなんだけれども。というか二人がどんどん仲良くなっていくのがよかったのかな。ちゃらちゃらでも一所懸命×めがね真面目にきゅんきゅんしたようです(どうしてもBLフィルターがぬぐえない)。といいつつ西岡と池脇ちゃん演じる彼女未満(おそらくセフレ)との掛け合いも素敵だった。ただ,まじめくんとかぐやの恋愛はあっさりしすぎて,ちょっと腑に落ちなかったな。どこまでも私が俗世的ということか。
風神秘抄(下)
風神秘抄(下)★★☆ 2.5
あらすじ
惹かれあう天性の舞姫・糸世(いとせ)と笛の名手・草十郎(そうじゅうろう)。二人が生み出す不思議な〈力〉に気づいた上皇は、自分のために舞い、笛を奏でよと命ずる。だが糸世は、その舞台から神隠しのように消えた。鳥たちの助けを得て、糸世を追い求めていく草十郎の旅は、やがてこの世の枠を超え…? 四つの文学賞を受賞した、日本のファンタジーの旗手・荻原規子の不朽の名作!
上巻で見事に思いが通じあった糸世と草十郎だが,”神隠し”によってすぐに引き離される。どうやら最後にあかされるが糸世は”現代”にとばさえるたようだ。
そして,上巻ではただの少しうるさいカラスだった鳥の王がすごく愛おしくなる。たぶん草十郎を無心に助けてあげるからだろうな。まさかの鳥×人間萌。最後にしゃべれなくなるのは悲しかった。魔女の宅急便でジジとしゃべれなくなっちゃうのと同じで世俗に生きるためには,魔力は捨てなければならないんだろうな。
しあわせのパンをみて
しあわせのパンをみて ★★☆ 2pt
あらすじ
りえ(原田知世)と尚(大泉洋)夫婦は、東京から北海道の月浦に引っ越し、パンカフェ「マーニ」を開店する。夫が丁寧にこねたパンに見合う料理を作るのは妻の担当で、いつも季節の食材をふんだんに使った料理がテーブルを彩っていた。そんな「マーニ」には、それぞれ何かしらの事情を抱えた客たちが店を訪れるものの、帰りには不思議とみんな心が軽くなっているのだった。(YAHOO映画より)
景色がとにかく綺麗だった。洞爺湖らしいんだが,こんなに綺麗だったっけ?
(昔もとかれといったな洞爺湖。キャンプしてカニをゆでて食べた気がする…。)
ただ,でてくる人たちは浮き世離れしすぎて感情移入できなかった。
そして,大泉洋がいつボケるのか気になって感情移入できなかった(結局ボケない)。
魚住くんシリーズ(3)メッセージをよんで
榎田ユウリ ★★☆ 2.5pt
あらすじ
恋を覚えたばかりの美青年・魚住真澄は、クリスマス間近、病院でさちのという少女に出会う。重い病を抱え、耐えるように生きる彼女に、魚住は「おれのお母さんになって」と告げる。困惑しつつも、次第に魚住と打ち解けていくさちの。遊園地に行きたい彼女のため、魚住は久留米も誘って、煌めくような冬の一日を過ごすが…。魚住が初めて知る、胸が苦しくなるような幸福の時間。そして…。(Amazonより)
1,2も読んだけど,3からしか記録していないので3から。
もう魚住くんと久留米の甘酸っぱい感じ,たまりませんね。BLはえっちな描写がない方がいいと思う。そんな気がない人たち(いわゆるノンケさん)がなんだか惹かれ合うのがたまらん(じゅるり)。
そして今回の話の軸になるのがさちのと魚住の話。魚住はさちのの中にある孤独にふれて,親近感をいだく。あまり,人になつかない魚住くんがさちのに心をゆるしてなつくのが可愛かった(魚住くんは猫みたい,久留米は犬みたい)。
ただ,さちのちゃんは死ぬ必要なかったような。