月の影 影の海を読んで
★★★ 3.0pt
あらすじ
「お捜し申し上げました」―女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。怒濤のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。(「Book」データベースより)
主人公の陽子がとにかく最初はふんだりけったり。
読んでいる方まで,疑心暗鬼になりそう。特にネガティブな情報を陽子に吹き込むサルがもう憎くて,読んででむきーっとなった。
ただ主人公の陽子ちゃんは,普通の女の子かと思いきや,芯のある希望を捨てない子で,純粋に応援したくなった。
そして途中からでてくる半獣の楽俊がすごいいい子(実際は大人なのですごいいい人)。挿絵の楽俊もかわいい。
でも何より,楽俊が成人男性に変わるところがきゅんきゅんした(陽子と楽俊の恋物語があればいいのに)。
十二国記シリーズの実質の一作目にあたる本作は(魔性の子は外伝),世界観が非常に作り込まれていて,続きを読みたくさせる,一作目だった。